ガラスの動物園

 最近、『ガラスの動物園』という戯曲を読んでいる。英題は、"The Glass Menagerie"で、訳あって英語で読んでいるのだが、短いのですぐ読めるし、セリフばかりなので英語もそこまで難しくない。この戯曲に出ている登場人物は、わずか4人なのだが、どの人物も面白い。

 主人公の姉でLauraという女性が出てくる。Lauraは引きこもりで人と話すのが極端に苦手、ガラス細工を集めるのが趣味だという繊細な女性なのだが、この繊細さが良い。私は、男性、女性問わず繊細な登場人物が好きなので、ワクワクしてしまう。

 彼女は、足が悪く、それがコンプレックスになっている。作中では、Jimという男に、励まされる場面があるのだが、Jimは、彼女の足は人々が気にするほど大変なものではないのにもかかわらず、必要以上に気にしすぎているせいで劣等感に苛まれているのだと分析する。

 あー、そういうことあるよな。と思う。彼女ほど繊細ではないが、私も気にしいな部分があるので、心配が現実以上に増幅されてしまうという経験がある。厄介なところは、この種の勘違いは、後でわかっても直すのが難しいというところ。というのも、不安に苛まれた瞬間は、冷静になれない上に、不安というのは全く予兆なくやってくるからである。

 とまあ、Lauraに共感しまくってたわけだが、つくづくこういう深窓の令嬢的なキャラが好きだなと思う。ちなみに、作者テネシーウィリアムズの姉がLauraのモデルだというが、実の姉がこんな性格だったら、そんな呑気なことも言ってられないだろーなと思う。