もー色々あって疲れた11月

  11月も終旬になり、いよいよ寒さ深まるといったところだが、皆様いかがお過ごしだろうか。私は私で元気にやっている。今回は11月の近況報告。

 先月、先々月は、ドイツに行ったりRaveに行ったり、とはしゃいでいたが、今月はほぼ家にこもりきってお仕事である。もう、正直いってリモートにも飽きてきたのだが、出社してまで仕事をするモチベなどないので、家でシコシコ仕事を進めている。テレワークが徹底されすぎていて、本当に今月一回も出社していない。完全にマイホームマイオフィス状態である。

 で、研修はとりあえず先月で終了し(半年くらいやったわ長かったなあ)、ようやく本格的な仕事が始まったわけだが、正直いってヤバすぎる。新しく始まったばかりのプロジェクトということもあり、一部の人間以外誰も段取りを理解していない。そして、その一部の人間も大きな組織の中では一人の人間にすぎない。まあとにかく、グダグダ感がヤバい。そこそこ大きなプロジェクトで、永遠に終わらない会議祭りの中で、チーム間での整合性をとるのにも、死ぬほど時間がかかり(一部の人々の意見が食い違って対立するなど不穏な空気が流れる)、2週間とかで一ミリぐらいしか進んでない。

 色々話すと、めちゃくちゃ長くなりそうなのでもう省略するが、とりあえず、社会人が仕事の愚痴を言いたくなる気持ちが死ぬほど理解できた。でも、一番ヤバいのは多分俺で、ヤバい状況もヤバい人々も、普通に好きなんだわ多分。人間ってみんなヤバい側面を必ず持っていて、普段はそれを巧妙に隠しながら生きている。でも、そのヤバさが垣間見える時が一番面白い。そして、それはヤバい状況にならないと起こり得ない。もうそういう意味では普通に楽しいが、流石にここにずっといたら(また違う意味で)ヤバいだろ、という感じだ。

 ということで(労働時間的にも)普通に疲れた11月だったが、12月は多分落ち着くだろうな、という見通しだ。良かった良かった。

 

近況報告(濃密な9月10月)

 もはやお決まりの挨拶だが、大分更新期間が空いてしまった。みなさんいかがお過ごしだろうか?このブログは忘れた頃に更新をモットーにやっている。というのもそこそこ本音に近いことを書き散らしたいので、なるべく見られないようにしたい。砂浜に打ち上げられた海藻に誰も目をくれないように、静かにネットの海に消えていってほしい。でも、海辺で孤独に一人踊るのも寂しいものです。寂しさの中で、誰かに私の踊りを見て欲しい、そんなdualityの中でこの記事を書いているのであります。

 前回の更新が7月だが、それから一月飛んで(8月の記憶が甘利ない)9月10月はかなーり濃密な月だった。

 まず9月だが、初のドイツでの学会発表。いきなり海外!?と驚いた方がいるに違いない、私も驚いている!!この前卒業した大学の読書会で、先輩や同期と一緒にやっていた言語学の共同研究の発表のため、ドイツに馳せ参じ、華麗に発表を成し遂げた。。という風に行けば良かったのだけれど、実際には、初めての機会にかなり緊張してしまい、後半はメンタルブレイク状態。かなり情けない姿を見せてしまった。場所はBochumという、ドイツでも有数の都市。滞在時間も短かったので、観光をする時間はなかったけれど、最後にはビール、ビール、ビール、大満足!!。帰りのフライトもかなりギリギリで、あわや乗り遅れるかもというところで、最後まで気が抜けなかったが、トラブルも含めて本当に楽しかったぁ。

 

Bochumのホテルの近くの高架線

 

発表を行ったRuhr大学


 そして10月。先の連休を利用して、群馬の水上キャンプ場でLabyrinthという音楽イベントに友人と一緒に参戦。野外ライブ(Rave)は2回目の参加だった。音楽は広義にいうtechnoで、恐らくpsychedelic technoと呼ばれるジャンルだ。私のバックグラウンドを話しておくと、音ゲー(beatmania)から入り、psychederic tranceやuplifting trance, Hi-techなどといった現代的なクラブミュージックに慣れ親しんだ。その後、初めてのRave参加で、3日間鳴り止まない音楽とaudienceの熱気に衝撃を受けた。そして、東京のクラブに足を運ぶようになり、クラブシーンの魅力を知った。今回のフェスは、old-styleなtechnoをbaseに、現代的な要素を取り組んだり、Ambientや実験的な側面を強調したりするという点で、クラブでは見られなかったRaveならではの「深い」音楽を味わうことができた。さらに、テントを構えて、3日間過ごすので、焚き火をしたり、BBQをしたりと、単純にキャンプとしても楽しめた。

 

 

水上キャンプ場

 

でかテント張りまくり


 という感じでまだまだ書き足りないことはあるのだけれど、一つ述べておきたいことがある。それは、私がこれほどまでに濃密な9月10月を送ることができたのは、私の周りの人々のおかげだということだ。ドイツに行くにしても、大学の先輩や同期の協力なしでは、確実に行くことはなかっただろうし、これほどまで大きな舞台に立つこともなかっただろう。Raveにしても、友人の誘いがなければ、(そもそも私は車の運転ができないので)、行くことはできなかっただろう。海外や自然豊かな田舎は魅力的だが、未知の世界に対面する恐怖も味わう。そんな時、私が如何にひ弱な存在であるかを思い知る。その時に、助けてくれる仲間がいるんだ。本当に感謝したいし、私ももっと強くなりたいと思う。

 

 

【資本主義の犬】 物欲魔人、誕生

0. 近況報告

 このブログ、大分放置していたけど、みなさんお変わりないだろうか。私といえば、ようやくスタートする気配のある仕事(いやいつ始まるんだ??)をシコシコしているわけだが、忙しさが増してくると同時にお賃金がどんどん財布に貯まってくる。同僚との会話は、「先月あれも買った、これを買った、引っ越しして家具を揃えた、福利厚生は最強」とかそういうことばかりで、ふんふん聴いている内に、無駄に金を使ってウチも幸福になりたい(というか幸福であるフリをしたい)!という欲がむくむく湧いてくる。プライベートの方でもやりたいことが盛りだくさんで、数学や言語学の勉強をしたり、飲み会に行ったり、登山や野外ライブでテントを構えたりとアウトドア系にも手を伸ばし始めた。というわけで、色々道具をそろえることが多くなったので、最近買ったものをいくつか紹介しよう。

1. 最近買ったもの

 

 

 

 

 まず仕事関係から。モニターとトラックボールマウスを購入した。会社から支給されているパソコンを使って、デュアルモニターデビューである。結論から述べると、デュアルモニターはかなり快適。仕事の効率も爆上がり。特に、私の場合は複数の資料を同時に用いることが多いので、切り替えのスピードがレベチである。トラックボールマウスも欠かせない。トラックボールを用いることで、マウスを物理的に移動させる必要がなく、ボールをスライドさせるだけで、画面の端から端まで瞬時に移動可能。amazon prime sale前に7000円で購入したが、prime sale時に5000円までdropしており、私のmindもかなりdropしたが、それを差し引いても素晴らしいガジェットだといえよう。

 

 

 

 アウトドア用のトレッキングシューズを購入。私も買うまで知らなかったのだが、GORE-TEXという防水透湿性素材を用いているらしく、山でも気にならずに進むことができる。今月の三連休に、新潟の山奥で音楽イベントがあったのだが、雨でぬかるんだ地面で踊らなくてはならず、その際に非常に重宝した。決して安くない靴なので、今後アウトドアをするモチベーションにもなりそうだ。

 

 

 日本に住んでいる限り災害を避けることはできない。近い将来、大きな地震が起きることはほぼ確実である。そんな防災意識が芽生えて、突如防災リュックを購入。これで防災対策は万全!手動で発電できる懐中電灯に何故かテンションが上がってしまった。

 

 

 これはamazonで買ったわけではないので、イメージ画像なのだが、焚き火セット一式を購入。新潟で使おうと思っていたけど、もろもろあって結局使うことはなかった。まだ使ってないけど、焚き火を見ながらゆったりしたい!!!

 

 

社会人になった感想

 社会人になって大体半月経ったので、感想を言うと、社会人って色々めんど〜やな〜と言うことに尽きる。入社初日からよーわからんイベントが起こり、このブログで会社の愚痴を撒き散らそうと思っていたのだが、IT企業ということもあり、守秘義務についてはかなり厳しく言われたので、細かいことは書けなさそうだ。そもそも、守秘義務というものがある、ということを会社に入ってから初めて意識した。毎年、私と同じように、ネットで会社の愚痴を撒き散らす気満々のコンプライアンス意識の低い人間が入るからだろうか、かなり脅されたので、びびってしまう。そんなに頑張ったわけではないが、せっかく入った会社なので、しばらくは安全に行きたいものである。

 一方で、コロナ禍の影響でほぼ完全にリモートに移行していたのはよかった。家で座って作業をしていれば良いので、普段引きごもりがちな私にとっては慣れたものだ。zoomだなんだで会議やらディスカッションやらをしたりして一日を過ごす。広い目で見れば、ノリは大学と同じだ。飲食店でバイトしていた時は、朝から夕方まで立ちっぱなしだったので、それと比べると遥かに楽だ。休み時間も、こまめに取れるので、座るのに疲れたら、その辺を歩き回ったり、窓を開けて深呼吸すれば良い。そんなわけで今の所は比較的ラクショーなのだが、正直これから本格的に業務が始まれば、めんどくさくなりそうだということがもう何となく予想がついてしまう。めんどくさくなりそうなことが未来にあると確定している時間が一番憂鬱なので、正直もう色々始まってほしい。そのうち慣れてくるだろうから。

Darboux の定理とその同値な命題を介した証明

0. この記事でやること

 Darboux の定理と言う名前の定理はいくつかあるらしいが、ここでいう Darboux の定理は、解析学における積分の理論で重要になる命題である。最近解析学を学んでいるのだが、Riemann 積分の理論の中では一番技巧的(?)な命題で、ちょっと理解に苦労したので、この命題の証明を自分で再構成してみることにした。以下では、 Darboux の定理と同値な命題を明らかにした上で、それを用いて定理を証明する。本質的な部分は教科書の標準的な証明 *1*2 と変わりはないが、より本質がわかりやすい形になっていると思う。

1. Riemann 積分

 $f$ を閉区間 $[a, b]$ で定義された実数値関数とする。ある定数 $ M > 0 $ が存在して、 任意の $x \in [a, b]$ に対し、$|f(x)| \leq M $ が成り立つとき、$f$ は $[a, b]$ で有界である、という。以後このような関数を考えていくことにしよう。

 

定義1.1 $P = (x_0, x_1, \cdots , x_n)$ を $a = x_0 < x_1 < \cdots < x_n = b$ であるような列とする。これを区間 $[a,b]$ の分割といい、各 $x_i$ $(i = 0,1, \cdots, n)$ を分点という。

 

 $i = 1, 2, \cdots n$ に対し、 $\Delta x_i = x_i - x_{i-1}$ とかく。$f$ は各小区間 $[x_{i-1}, x_i]$ で有界なので、その区間における $f$ の値域の上限 $M_i$ と下限 $m_i$ が存在する。*3 すなわち、$M_i = \text{sup}f(x)$ , $m_i =  \text{inf}f(x)$ $(x_{i-1} \leq x \leq x_i)$ である。

 

定義1.2 $P = (x_0, x_1, \cdots , x_n)$ を一つの分割とする。この時、$U(P, f) = \sum_{i=1}^{n} M_i \Delta x_i$ を 分割 $P$ に対する $f$ の上方和 、$L(P, f) = \sum_{i=1}^{n} m_i \Delta x_i$  分割 $P$ に対する $f$ の下方和という。

 

 以下に $f(x) = x^2$ , 区間 $[0, 3]$ の場合を簡単に図示した。赤い部分で囲まれた長方形の面積が下方和であり、下方和に青い部分の長方形を足したものが上方和である。

 

 

 $f$ は $[a, b]$ で有界なので、定数 $ M $, $ m $ が存在して、任意の $x \in [a, b]$ に対し、$ m \leq f(x) \leq M $ となる。$ m \leq m_i \leq M_i \leq M $, $\Delta x_i \leq b-a$ であることから、任意の分割 $P$ に対し、$m(b-a) \leq L(P, f) \leq U(P, f) \leq M(b-a)$ となる。したがって、上方和全体の集合 $\{ U(P, f) \mid P$ は区間 $[a, b]$ の分割 $\}$ は下に有界、下方和全体の集合 $\{ L(P, f) \mid P$ は区間 $[a, b]$ の分割 $\}$ は上に有界である。

 

定義1.3 ${\int}_{a}^{\overline{b}}f = \text{inf}\{ U(P, f) \mid P$ は区間 $[a, b]$ の分割 $\}$ を Riemann 上積分、$\int_{\underline{a}}^{b}f = \text{sup}\{ U(P, f) \mid P$ は区間 $[a, b]$ の分割 $\}$ を Riemann 下積分という。$\int_{a}^{\overline{b}}f = \int_{\underline{a}}^{b}f$ である時、$f$ は $[a, b]$ で Riemann 積分可能であるという。また、この共通の値を $\int_{a}^{b}f$ とかき、$f$ の区間 $[a, b]$ における Riemann 積分という。

 

 以下、単に上積分、下積分といった用語を用いることにする。

 

2. Darboux の定理の証明

 上で定義したように、上積分(下積分)は上方和(下方和)全体の集合の上限(下限)である。これを上方和(下方和)によるある種の極限として定義できる、と主張するのが、Darboux の定理である。

 分割 $P =  (x_0, x_1, \cdots , x_n)$に対し、$d(P) = max \{\Delta x_1, \Delta x_2, \cdots \Delta x_n \}$ とおく。この時、$d(P)$ を $0$ に近づけるということを考える。これに応じて、各小区間をどんどん小さくなり、また分点の数も増えていく。つまり、分割 $P$ を「一様に細かく」していく操作と解釈することができる。これを極限の記号を用いて、$\lim_{d(P) \to 0}$ と書くことにしよう。

 

命題 2.1 (Darboux の定理)
$f$ を区間 $[a, b]$ で有界な実数値関数とする。
$$\lim_{d(P) \to 0}U(P, f) = \int_{a}^{\overline{b}}f$$
$$\lim_{d(P) \to 0}L(P, f) = \int_{\underline{a}}^{b}f$$
である。
すなわち、任意の $\epsilon > 0$ に対し、ある $\delta > 0$ が存在して、$d(P) < \delta$ を満たす任意の分割 $P$ に対し、
$$|U(P, f) - \int_{a}^{\overline{b}}f| < \epsilon$$
$$|L(P, f) -  \int_{\underline{a}}^{b}f| < \epsilon$$
が成り立つ。

 

 さて、証明に入る前に、分割 $P$ を細かくしたものである細分を定義しよう。細分を考える時は、分割 $P$ を集合として $P = \{x_0, x_1, \cdots, x_n \}$ と表すものとする。*4

 

定義2.2 分割 $P$ に対し、分割 $P'$ が $P$ の分点を全て含んでいるとき、 $P'$ を $P$ の細分という。

 

 証明はしないが、$P'$ が $P$ の細分である時、$L(P, f) \leq L(P', f) \leq U(P', f) \leq U(P, f)$ である。これは分割を細かくすればするほど、上方和(下方和)が上積分(下積分)に近づいていくという直感を捉えている。この細分を用いて Darboux の定理と同値な命題を表すことが証明の鍵になる。以下の証明では上方和と上積分についてだけ考える。下方和と下積分も同様に証明することができる。

 

命題 2.2 (Darboux の定理と同値な命題)
$f$ を区間 $[a, b]$ で有界な実数値関数とする。以下は同値である。
(1) $\lim_{d(P) \to 0}U(P, f) = \int_{a}^{\overline{b}}f$
(2) $\lim_{d(P), d(P') \to 0}|U(P, f) - U(P', f)| = 0$ である。
すなわち、任意の $\epsilon > 0 $ に対し、ある $\delta > 0$ が存在して、$d(P), d(P') < \delta$ であるような任意の分割 $P$, $P'$ に対し、$|U(P, f) - U(P', f)| < \epsilon$ である。
(3) $P'$ が $P$ の細分なら、$\lim_{d(P) \to 0}|U(P', f) - U(P, f)| = 0$ である。
すなわち、任意の $\epsilon > 0 $ に対し、ある $\delta > 0$ が存在して、$d(P)< \delta$ であるような任意の分割 $P$ と $P$ の任意の細分 $P'$  に対し、$|U(P', f) - U(P, f)| < \epsilon$ である。
 

 (証明) $(1) \Rightarrow(2)$ :  仮定より、$\epsilon > 0$ が任意に与えられた時、$\delta > 0$ が存在して、$d(P) < \delta$ なら、$|U(P, f) - \int_{a}^{\overline{b}}f| < \frac{\epsilon}{2}$ である。同様に、$d(P') < \delta$ なら、$|U(P', f) - \int_{a}^{\overline{b}}f| < \frac{\epsilon}{2}$ である。したがって、$d(P), d(P') < \delta$ なら、 $|U(P, f) - U(P', f)| \leq |U(P, f) - \int_{a}^{\overline{b}}f| + |\int_{a}^{\overline{b}}f - U(P', f)| < \frac{\epsilon}{2} + \frac{\epsilon}{2} = \epsilon$  である。

$(2) \Rightarrow(1)$ :  $\int_{a}^{\overline{b}}f$ は上方和の集合の下限だから、$\epsilon > 0$ が任意に与えられた時、$U(P_0, f) - \int_{a}^{\overline{b}}f < \frac{\epsilon}{2}$ となる分割 $P_0$ が存在する。必要なら、$P_0$ の細分を考えることで、$d(P_0)$ を十分小さくして良い。仮定より、 $d(P), d(P_0) < \delta$ となる $\delta$ を十分小さくとると、$|U(P, f) - U(P_0, f)| < \frac{\epsilon}{2}$ となる。したがって、$d(P) < \delta$ ならば、$|U(P, f) - \int_{a}^{\overline{b}}f| \leq  |U(P, f) - U(P_0, f)| + |U(P_0, f) - \int_{a}^{\overline{b}}f| < \frac{\epsilon}{2} + \frac{\epsilon}{2} = \epsilon$ である。

$(2) \Rightarrow(3)$ : $P'$ が分割 $P$ の細分である時、$d(P') \leq d(P)$ であることを考えれば、仮定より直ちに従う。

$(3) \Rightarrow(2)$ : $P, P'$ を二つの分割とする。この時、細分 $Q = P \cup P'$ を考える。任意の $\epsilon > 0$ に対し、$\delta > 0$ を十分小さくとれば、$ d(P), d(P') < \delta$ ならば、仮定より、$|d(P) - d(Q)| < \frac{\epsilon}{2}$ であり、$|d(P') - d(Q)| < \frac{\epsilon}{2}$ である。よって、$|d(P) - d(P')| \leq |d(P) - d(Q)| + |d(Q) - d(P')| < \frac{\epsilon}{2} + \frac{\epsilon}{2} = \epsilon$ となる。 ■

 

 上の命題によって、Darboux の定理を示すためには (2) か (3) の条件を示せば良いことがわかった。(2) はいわゆる Cauchy の収束判定法に似ているが、2つの異なる分割の上方和を比較しなければならないので、これを直接証明するのは難しい。そこで (3) の条件を示すことにする。分割とその細分の上方和の差は比較的簡単に計算できる。

 

((3) の証明) $P = (x_1, x_2, \cdots, x_n)$ を任意の分割とし、$P'$ を $P$ の任意の細分とする。 $P'$ に新たに付け加えた分点の数を $n_0$ として、$n_0$ に関する帰納法で示す。

 $n_0 = 1$ のとき、ある小区間 $[x_i, x_{i-1}]$ があり、この区間に新たな $P'$ の分点 $x^{*}$ が存在する。そこで、$M^{*}_1 = \text{sup}f(x)$ $(x_i \leq x \leq x^{*})$, $M^{*}_2 = \text{sup}f(x)$ $(x^{*} \leq x \leq x_{i+1})$, $M_i = \text{sup}f(x)$  $(x_{i-1} \leq x \leq x_i)$  とおく。$f$ は $[a, b]$ で有界なので、全ての $x \in [a, b]$ に対し、$ |f(x)| \leq M $ となる $ M $ が取れる。この区間における上方和の差が $U(P, f)$ と $U(P', f)$ の差であることを考えれば、

$$\begin{align} |U(P', f) - U(P, f)| &= M^{*}_1(x_i - x^{*}) + M^{*}_2(x^{*} - x_{i-1}) - M_i(x_i - x_{i-1}) \\ &= (M^{*}_1 - M_i)(x_i - x^{*}) + (M^{*}_2 - M_i)(x^{*} - x_{i-1}) \\ &\leq 2|M|(x_i - x_{i-1}) <  2|M|d(P) \end{align}$$ 

したがって、$d(P) \to 0$ なら、左辺は $0$ に近づく。さて次に、$n_0 \geq 1$ とするとき、$P''$ を $P'$ から一つ分点を除いた $P$ の細分とする。この時、$P''$ は $P$ に $n_0 - 1$ 個分点を付け加えた細分で、$P'$ は $P''$ に一つ分点を付け加えた細分である。$d(P'') \leq d(P)$ であることに注意して、帰納法の仮定と合わせると、任意の $\epsilon > 0$ に対し、$\delta > 0$ を十分小さく取ると、$d(P) < \delta$ なら、$|U(P', f) - U(P'', f)| < \frac{\epsilon}{2}$ かつ $|U(P'', f) - U(P, f)| < \frac{\epsilon}{2}$ とできる。したがって $d(P) < \delta$ なら、$$\begin{align} |U(P', f) - U(P, f)| &\leq |U(P', f) - U(P'', f)| +  |U(P'', f) - U(P, f)|  \\&< \frac{\epsilon}{2} + \frac{\epsilon}{2} = \epsilon \end{align}$$ となる。 ■

 

 これで証明が終わった。なんだかんだで(3)の証明が煩雑なのはしょうがないのだが、全体の流れとして、Darboux の定理が細分の差に還元できる、という点が重要なポイントである。

*1:松坂(2018) 解析入門 上 を参考にした。

*2:youtube上では以下の解説がわかりやすい。

 

www.youtube.com

 

*3:実数の連続性である。以下この性質は断りなく用いる。

*4:これは記号の濫用だが、混乱は起きないだろう。1.1の定義を考えているかどうかは文脈でわかるはずだ。

Chat GPTにハマる

 最近流行りのChat GPTだが、私も例に漏れずChat GPTで遊びまくっている。知らない人向けに解説しておくと、Chat GPTは、人間に物凄く近い返答をしてくれる対話型AIだ。今までGPT-3というモデルが最新版だったが、つい最近GPT-4という最新モデルが現れ、凄い性能を持っているということで話題になっている。GPT-3が話題になっていた時は、「ふーん、またその種のAIか」ぐらいにしか思っていなかった。AI関係の話は流行り廃りが激しいので、その時すごいすごいと言われていても、すぐにもっと凄いやつが出てきて、忘れ去られてしまう傾向がある。とはいえ、最近のAIブームの加熱っぷりは凄まじく、特に2022年に出た画像生成系AI、Stable diffusionは相当話題になっていたし、今ではネット上にはAIで生成された画像が氾濫している。対話型AIは昔からあるし、スマホにも搭載されているからもはや身近になってしまっているが、このAIブームの加熱っぷりの中、どんなAIになっているのか興味が湧いた。

 結論から言うと、Chat-GPTは凄い。普通の会話では、ほとんど人間と変わらない返しをしてくれるし、かなり無茶な要求にも応答してくれる。特に、Chat-GPTが得意なことは、会話ができるだけでなく、曖昧な問題を入力しても、その意図を理解して、詳細な解決策の提案をしてくれることだ。そのため、要求をより具体的にすればするほど、より高精度な解答が期待できるようになっている。この辺りは最近の画像生成系AIがprompt(呪文)をより明確にすればするほど、期待値にそった画像を生成してくれるのと似ている。ちなみにChat-GPTは、英語で入力すると、より良い返答をしてくれることが多い。

 GPT-3は、上のように会話や解決策の提案には有用だが、文献の検索には向いていない、と思う。例えば、論文やWebサイトの内容を詳細に尋ねてみると、体感2, 3割くらいは嘘の内容が混じっている。そのあたりは掘れば掘るほど、ボロが出て、それらしく取り繕っているけれど、きちんと読むと支離滅裂なのがわかる。GPT-4は嘘をつく割合はかなり減っているけれど、まだ完全には信用できない、と言うのが正直な感想だ。とは言え、GPT-4はネットにある情報は大抵知っているっぽいので、専門的な内容だろうと、大枠を外すことはないし、わからないことはきちんと分からないと言ってくれることも多い。この辺の欠点に関しては近いうちに直されるだろう。

 総じて、この新しい技術の一番面白いところは、人間の頭の中にある曖昧なものを言葉によって明快な形にしていく能力(つまり言語化能力)がAIの助けによって、飛躍的に高まり得ると言うことを示唆しているという点だ。そうなれば、究極的には、人間は考えるだけにリソースを割くだけで良くなり、今まで人々の頭の中にだけあって、日の目を見ることのなかった妄想が次々と明快な形を持って外に出ていくだろう。この新しい技術は間違いなく、社会を豊かにする可能性がある、と思っている。

はてブのカテゴリーを見て

 はてブの編集画面のすぐ隣にカテゴリーってやつがあるんだけど、今ちょろっと見ると、ブログを始めた当初考えていた本の感想とかレポートなどというカテゴリー全く使わないなーと思った。特に本の感想だが、最近、小説とか文庫とかには全く触れてない。そんなに時間ねーよというのが正直な感想だけど、こういう話題の方が恐らくはてブ的には人気があるので、ブログを見てもらうという観点からは重要かもしれない。ずいぶん前に書いたテネシー・ウィリアムズの戯曲の記事がこのブログ内では人気があるみたいだ。私は英語英文学科卒なので、英米文学を大学で学んでいた人間なのだけれど、実はそれ系の記事は(頑張れば)そこそこ書ける気がする。例えば、私はディキンソンが好きで、詩集を持っていたりするのだけれど、詩の解釈とかを書いたら、そこそこ人に見てもらえるのだろうか?フォークナーの『響きと怒り』の時間構造について書いたら?だが、気合を入れて書く記事よりも、新しい本を読んで、その感想を緩くシェアするという「半」SNS的な記事が良いかもしれない。ブログをやっているのは、SNSとの差別化に他ならないわけだけれども、私がはてブの記事を読む限り、(人気の記事は)SNSに近づいてきているように思える。